スピリット・オヴ・サマー

「どう、って…、どうなる?」
『記憶はいつしか、「無形」であることの臨界を超える。
 物理的空間を受け皿にして蓄積された膨大な量の共通認識が、たった一人分の精神の帰化を引き金に、集団幻想の壁を壊してしまう事がある。
 その瞬間、「精神は物質化する」。』
「…それが、お前だ、と…?」
『今に始まったことじゃない。
 ヒトの集まる場所には、必ず発生する現象の一つでしかない。
 校舎にまつわる「怪談」は、十中八九私の仕業。
 こうあってほしい。
 こうだったら良かった。
 その子供達の想いの語り部として、私が存在する。』