スピリット・オヴ・サマー

 「千佳子」はそう言って憲治のコブを、ついっ、と小突いて笑った。
「っ、ちょすなってよ(触るなってば)!」
 思わず口を突いて土地の言葉が出る。そして、迷惑がって払いのけた憲治の手が、柔らかいものに触れた。
「あっ、やあっ!」
 憲治の手は「千佳子」の小さな胸の膨らみを捕らえていたのだ。しかし、悲鳴を上げたのは「千佳子」ではなく憲治のほうだった。
「あっ、たっ、わざとでねぇっ、わりぃっ、」