スピリット・オヴ・サマー

 憲治は目を閉じて、息を深く吸った。そして、痩せっぽちの震える背中をゆっくりとさすりながら、憲治は聖菜の耳元でささやいた。
「こんな小さな身体で背負えるほど、俺の罪が軽いとは思えないけど。それでもいいか?」
 その言葉に、聖菜はゆっくりと顔を上げ、
「私のも、半分、いいですか?」
と震える声で、小さく言った。憲治はゆっくりとうなづいて微笑んだ。
「ああ、もちろん。当然だろう?」
 憲治に釣られ、聖菜も涙目のまま微笑んだ。