「いや、そうじゃなくてよぅ、年頃の娘を、だ、同じ年頃の男と一緒にしておいてもいいのか、って事だよ。」
「わざと、じゃないんですか?」
 聖菜はそう言いながら、いたずらっぽく微笑み、着替えの入った小さなディバックを背負って病室を後にした。
「ふぅー、ん…?」
 すぐには聖菜の言葉を理解できなかった憲治は生返事で返した。が、立ち止まって少し考え込んでから、
「…おい、聖菜、待て。そりゃまずいぞ!」
 そう叫んで憲治は聖菜の後を追った。

第4節に続く