…とんでもないですびっくりなさったでしょうでももう大丈夫なようですね一安心ですよ。
 憲治も頭を下げる。
「お父さん、お母さん、私、もう大丈夫だから。仕事に戻ってもいいよ。」
 これは聖菜。聖菜はベッドの脇、カーテンの向こうで着替えている。
「私は休んじゃうけど。」
 そう言いながらカーテンを開けた聖菜の出で立ちは、上は昨日、憲治が出会った「聖菜の生霊(イキスダマ)」と同じ白のブラウスだったが、下はぴったりしたジーンズに着替えていた。今度こそ本物であろうと、憲治は食い入るように聖菜の姿を眺め回した。