そして、頬の辺りの温もりに程よい弾力を感じたとき憲治は、自分がどんな状態で、何を枕にしているかを想像し赤面した。
「…あやぁ、やっと目ぇ覚めだがァ。」
 少女の声が耳元でささやき、想像は現実であることに気がついた。
「膝、枕。ですか…?」
 自分の状態を途切れ途切れの言葉にしながら、憲治は声の方に顔を向ける。耳元の衣擦れの音。見下ろす少女。
「…っ!」