「おらぁ、コーラはやんだァ(イヤだ)。」
「何?」
と言って憲治は振り返る。
「だがらぁ、おらぁ、サイダーがイイなぁって…、あ、何ぃ、その目はァ。さては憲治さん、自分の分だけがァ?」
「はいはい、サイダーね…。とんだ精霊だ。」
「文句言わね。授業料だと思えば、なに、安いもんだべェ?」
「はいはい。」
 じゃき、じゃき、じゃき。
 ごとり。
 サイダーの缶が水滴を弾く。