「んだ、おらぁ、他のカタチになる力、亡ぐしてしまったんだァ。それと、もしかしたら分がってだがも知んねぇども、ずいぶん前から『読心(サトリ)』のチカラも弱ぐなってしまってだ…。」
「…俺の、せい、だ。」
憲治は俯いた。徐々に力を亡くしかけていた憧子を、生身の女の子みたいだと、自分に都合良く考えていたことを思うと、胸が痛んだ。そして、あの夜の音楽室でのキス。「モノとしては失格」と泣いた憧子の言葉の意味が、やっと分かった。
「ごめん、俺のせいでお前の力は…、」
「…俺の、せい、だ。」
憲治は俯いた。徐々に力を亡くしかけていた憧子を、生身の女の子みたいだと、自分に都合良く考えていたことを思うと、胸が痛んだ。そして、あの夜の音楽室でのキス。「モノとしては失格」と泣いた憧子の言葉の意味が、やっと分かった。
「ごめん、俺のせいでお前の力は…、」



