憲治は興奮していた。次々と憲治の口から飛び出す機体名称、専門用語。すでに、声の大きい独り言でしかなかった。
「…プロペラの位置も考えた。この翼にあうのはトラクター方式よりも…、」
 憧子のくすくす笑いに、憲治は我に帰った。
「…と、まあ、色々とやってみたんだ。笑うなよ。」
 一人でしゃべりまくっていた己の姿を思い、憲治は赤面せずにはいられなかった。
「ぷはっ、あははははっ。」
 声をあげて笑い出す憧子。
「笑うなって。」