「そうそう。俺な、大戦末期のドイツの試作機で無尾翼機がたくさんあったの知ってたんで、そいつをな、やってみたかったんだよ。ハンググライダーもこのカタチだろ?絶対アリなはずなんだ。」
 徐々に憲治は雄弁になっていく。夢中だった。
「ホルテンだの、リピッシュだの、メッサーシュミットだの…。初めは完全無尾翼機を目指したんだ。けど、ちょい不安だったんでさ、垂直尾翼付けてみたんだ。デルタ翼は、ありゃあ、ダメだ。作ったはいいけど、もうね、一発で飛ばないって分かった。アレは機体にスピードがないと意味ねぇんだよねぇ…。」