憲治がメッセージを受け取ったことを確認すると、少女は少し笑った。途端に憲治の体は、すとん、と何かが落ちたように楽になった。
「…分かった。」
 力なく応える憲治。声がかすれる。
「んだば、後で。待ってるがら。」
 少女は笑いながら後ずさると踵を返した。そして、ぺたぺたと素足を鳴らしながら、焼けたコンクリートの上を女子更衣室へと消えていった。
 憲治はしばしの間呆気に取られていたが、程無く、我に返って中学生たちを引き上げさせた。