それから「憧子」は憲治の手を取って、
「おとついも昨日も、おらぁ憲治さんの相手したんだ。今日はおらさ付き合ってけれな?」と言って、校舎を指さした。そして小さく一言、
「もう、会えないと思うがら…」。
 憲治はその言葉に、「ああ」とうなずいた。

第3節に続く