あの「少女」曰く、合う度毎に寿命が縮むらしいがこれといって身体に不調を覚えるでもなく、ただ幾分、いつにましてだるい感じがあるのと、自分の影に濃さが足りなくなったような気がするぐらいなものだ。
 長い、濃い夢から覚めた直後に似ている。
 5年前と同じ姿で、「告白」を迫る初恋の「千佳子」、「罪」を赦す後輩の「聖菜」。憲治自身は月日の過ぎた分だけ年を取っているというのに、彼女達はそのことを驚きもしない。まさにあの時のままの姿で、当たり前のように自分に接していた。