声を震わせながら、憲治はその唇を「聖菜」の冷たくなった唇に重ねた。
「なぁ、うれしいか?こうやって、お前の大好きだった先輩がさぁ…、大好きな、…大好きな…っ!」
 そこまで言って憲治は声を詰まらせた。そして「聖菜」のカラダを抱きしめると、喉も張り裂けんばかりに泣いた。泣き叫んだ。何度も、何度も「聖菜」の名を呼んだ。
 「聖菜」は、冷たいまま、だった。

第4節に続く