スピリット・オヴ・サマー

 「少女」は続ける。
『このままじゃ、あなたはただの操り人形よ!』
「うるさいってばぁ!消えちゃええぇっ!」
 「聖菜」は涙も振り切れんばかりに絶叫した。
 ばづんっ。
 「聖菜」の一喝に教室のドアが外側に吹き飛ぶ。
『!』
 無数の水滴となって消し飛ぶ「少女」の体。
「…っ、」
 言葉を失う憲治。弾けたドアの向こうで、「少女」の体であったはずの水滴が壁を濡らしている。