スピリット・オヴ・サマー

　聖菜が哀れだった。そして「聖菜」をここまで追い込んだのが自分であったことを思う。償えるものなら、「聖菜」とともにこの世から消えてもかまわない、とまで思った。
『だめよ！』
　憲治の心を察した「少女」が叫んだ。
『あなたが死んだところで、「聖菜」への罪が償えるわけじゃないわ。そんなことをしても「夢魔」を喜ばせるだけよ！』
「そんなこと言っても、あなただって同じじゃない！先輩があなたと会い始めてから、先輩が少しづつ『死んでる』こと、あなただって知ってるじゃない！」