「あの日」、憲治は交換日記を「聖菜」に渡さなかった。日記にあった、「聖菜」の言葉が、そしてその場しのぎで返した言葉が憲治を追いつめていた。
「聖菜」が綴る揺れる思い。
「千佳子先輩に憲治先輩を取られそうな気がする」。
見抜かれていた。魂が震え、そして、憲治は返事を書いた。
「そんなことは、絶対にない」と。
それから一週間後の「あの日」、己の諸行の醜さに耐えられなくなった憲治は交換日記を捨てた。だが、そのことは今現在の憲治自身の精神を、深く蝕む古傷となって残っている。
「聖菜」が綴る揺れる思い。
「千佳子先輩に憲治先輩を取られそうな気がする」。
見抜かれていた。魂が震え、そして、憲治は返事を書いた。
「そんなことは、絶対にない」と。
それから一週間後の「あの日」、己の諸行の醜さに耐えられなくなった憲治は交換日記を捨てた。だが、そのことは今現在の憲治自身の精神を、深く蝕む古傷となって残っている。



