あの声の傍に「行ってあげなければ」ならなかった。
「…行かなきゃならないんだ、『あの子』の所へ!」
 憲治は尚も歩を進めた。引き摺られるように「少女」もそこに向かう。
「分がってる、分がってるなしゃあ!あんだ、あそこさ行って『あの子』さ会いでぇんだべ、会って、謝りでなだべ!」
「そうだ!会わなくちゃならないんだ!会って、あの日のことを、本当のことを…。」
「大丈夫、きっと『あの子』も許してる…、絶対だってばァ!」