「俺とルナちゃんで一部屋使うから、みんな後は一人で使いなよ!」


爽やかな笑顔でさらっと発言した海翔。


あたし地味に巻き込まれてない…?


あたし一人で使いたいのに…。


このまま流されたら終わりだ!


あたしが言葉を発しようと口を開けた瞬間、梨月がそれを遮るように話し出す。


「海翔にぃだけずるい!俺だってルナちゃんとなりたいよ!」


なに今の台詞!?


すごいきゅんきゅんする。


ちょっと恥ずかしくなって梨月から目をそらす。


言われ馴れない言葉にあたしの心臓はいつもよりはやく動き出す。


「海翔も梨月も危険だからな、ここは俺がなる」

「一番危険なやつがよく言うな」

「ほんとっ!馨にぃが一番手出すの早いくせにさっ」


“手出すの早いくせに”って、なに?


あたしはどうなるわけ?


ねぇ、飛鳥。


もう心が折れそう。


「じゃあここは間をとって俺がルナちゃんとなるよ」


悠真がみんなを落ち着かせるように言った。


だけどそんな悠真の発言は簡単に却下された。


「あたし…一人がいいんだけど…」

「「「絶対だめ!」」」


勇気を振り絞って発言しましたが、あたしの意見は悠真の意見よりもはやく却下されました。


しかもみなさん声をそろえて。


なんでみなさん、こんなにも美声なんですか?