「俺とルナちゃんで一部屋使うから、みんな後は一人で使いなよ!」
爽やかな笑顔でさらっと発言した海翔。
あたし地味に巻き込まれてない…?
あたし一人で使いたいのに…。
このまま流されたら終わりだ!
あたしが言葉を発しようと口を開けた瞬間、梨月がそれを遮るように話し出す。
「海翔にぃだけずるい!俺だってルナちゃんとなりたいよ!」
なに今の台詞!?
すごいきゅんきゅんする。
ちょっと恥ずかしくなって梨月から目をそらす。
言われ馴れない言葉にあたしの心臓はいつもよりはやく動き出す。
「海翔も梨月も危険だからな、ここは俺がなる」
「一番危険なやつがよく言うな」
「ほんとっ!馨にぃが一番手出すの早いくせにさっ」
“手出すの早いくせに”って、なに?
あたしはどうなるわけ?
ねぇ、飛鳥。
もう心が折れそう。
「じゃあここは間をとって俺がルナちゃんとなるよ」
悠真がみんなを落ち着かせるように言った。
だけどそんな悠真の発言は簡単に却下された。
「あたし…一人がいいんだけど…」
「「「絶対だめ!」」」
勇気を振り絞って発言しましたが、あたしの意見は悠真の意見よりもはやく却下されました。
しかもみなさん声をそろえて。
なんでみなさん、こんなにも美声なんですか?

![注意:彼の彼女は変態です。[短]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.763/img/book/genre1.png)