[ルナ、時間大丈夫なの?]
「えっ?あっ、本当だ!教えてくれてありがとっ!」
[うん、気をつけてね]
「大丈夫!寂しくなったらまた電話する」
[わかった、待ってる]
お互い「じゃあね」と言って電話を切った。
寂しいときはいつも飛鳥に電話する。
飛鳥の声を聞くと安心するから。
けっこう長電話しちゃったなー…。
そう思いながら鏡で髪型を確認してあたしは急いで歩いてむかうつもりだった。
「!!!飛鳥!?」
「歩くの大変だろ?のってけよ」
ヘルメットをかぶって、飛鳥の後ろにのった。
使いふるされ4バイク。
そのバイクの後ろはあたしの特等席だったりする。
付き合ってるとかそういう訳じゃなくて、飛鳥はあたしをよくのせるから。
まぁのる機会が多いって言われたらそうなんだけど。
風をきって走るバイク。
すごく気持ちいい。
そう思うのと同時に電話越しのあの雑音の正体がわかった。
なんだかんだ世話かけてるな〜。
電話しながらもバイク飛ばしてくれる飛鳥って、やっぱ優しい。
飛鳥を彼氏にできる女の子は幸せだな。
うん。
飛鳥にもいい彼女ができるといいなー!
好きな子ができたら絶対に応援するから!
ひとりで飛鳥の背中を見ながら心のなかで思った。

![注意:彼の彼女は変態です。[短]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.759/img/book/genre1.png)