365日~太陽と恋した日々~



広場のベンチ。
そこに2人で座っている。

「まさか病院で会えるなんて思っていなかったよ」
無邪気に笑って話す少女の名前は「長瀬 亜恋(アレン)」といった。
「オレもびっくりだった」
「でも、嬉しかった!」

同い年ということもあって、話がすすむ。
「でな、その嵐と宏樹は…」
彼女といると、あまりしゃべらないオレも気がつくとおしゃべりだった。
「私もサッカー、大好きなんだ」
「本当か?オレはサッカー部なんだ」
「そうなんだ…」
少し亜恋の声のトーンが下がった。
「私、中学校に行ったことが無いの」
そう言って寂しそうに笑った。
「入院してるけど、本当なら私は中学2年生よ」

桜が彼女の下に落ちる。
きれいなラインの横顔とよく映える。
「いつから、入院してるんだ?」
「小学校6年生の冬から…かな。
 卒業式も中学校の入学式も行けなかったわ」

うつむいて、足をぷらぷらさせている彼女。
悲しみ、いや、違うかもしれない。
寂しかったのだと思う。
「ごめんね。しんみりしちゃた。」
「亜恋?」
「気にしないで」

亜恋はくすくすといたずらっぽく笑う。
「そういえば…。昨日、雨の中サッカーしてたよね?」
「えっ?まあな…」
不意をつかれてどきっとした。
「見てたよ」
…マジかよ。
「あっ、もしかして…。そのせいで風邪ひいた、とか?」
すごい推理力だ。
「…正解」
「やっぱり!だから病院にいたんだね」
「試合が近いから…。アイツラには負けたくないんだ」