オレ達3人は、物心ついた時から一緒にいた。
幼馴染とは少し違う。
兄弟、といったほうが近いかもしれない。
3人で帰る場所は…施設。
親も身寄りもなくて、施設で一緒に暮らしている。
だから、いまいち家族とか親とか、そういう類のものがわからない。
…分かろうとしなかっただけかもしれない。
世間的にオレは、「捨て子」だったから。
施設の裏口から音を立てないように入る。
先生にばれたら面倒なことになる。
こそこそと小さな声で宏樹が言う。
「これで3回目だよ?そろそろばれるんじゃ…」
「なんとかなる。…多分な」
ばれたら説教だもんね、と宏樹が笑う。
途中で嵐がつまずいたりしたが、何とか誰にも会わずに部屋に戻れた。
ふぅ、と三人同時に息をつく。思わぬ偶然に、砕けて笑ってしまった。
これがだいたいのオレの日常。
この後、思いもよらない出会い、出来事なんてものはまだ知らなかった。
