365日~太陽と恋した日々~



「嵐、こっち!」
「いくぞ、宏樹!」
今日も広場でサッカーをしていた。

広場はいつも誰もいなくて、オレたちが占領しているようなものだった。
宏樹と嵐がパスをしているのを横目に、オレは1人でボールを蹴っていた。

さっきから、隣の病院ばかりに目がいってしまう。
なぜだろう?
亜恋のことが気になってしまう。

ふと、2階の病室の窓から顔を出している彼女を見つけた。
あれは…
「亜恋…?」
何してるんだ?
じっと見つめていると、亜恋がオレに気づいたのか、微笑みかけた。
オレも曖昧に微笑んだ。
でも、きっとぎこちなかったと思う。

すると、亜恋は窓から顔を引っ込めた。
何かを取り出すと、オレのほうへ優しく投げてきた。
いや、飛ばしたんだ、紙飛行機を。

ふらふらと飛んでくる紙飛行機をキャッチした。
きっちりと角がそろえて折ってある紙飛行機。
いかにも亜恋らしい。

紙飛行機をよく見てみると、うっすらと文字が透けて見えた。
破かないように注意して開けてみると、そこにはこう書かれていた。

『私の病室は204号室です』

女子がよく書く、まるい文字ではなかった。
書写のお手本みたいなきれいな字。
これも、きっちりした亜恋らしい。