*稜said

桜咲くこの時期。
進級や入学があるということもあり、今日の学校はいつも以上に賑わっていた。

「やったぁ!!!稜、また同じクラスだよ!!!」

そう言って喜んでくれるのは幼なじみで親友の佐藤 恵里香≪さとう えりか≫だ。

『また恵里と一緒?』
「なによ~、嬉しくないわけぇ?」
『っ!///////』

プゥ、っと頬を膨らませる親友をみてこんなにも可愛いと思ってしまう僕は
やはりおかしいのだろうか?←

『恵里』
「何?どした?」
『・・・抱きしめてもいいかな?』
「ブッ!何言ってんのよ!?思わずふいちゃったじゃない;」
『駄目なのか?』
「そんな目したって駄目だから!」
『ケチ。』
「ケチじゃない!・・・稜に彼氏ができないのってその癖のせいでしょ?」

うっ・・・。
痛いところをピンポイントで突いてくるじゃありませんか。

そうだ僕に恋ができない最大の理由は僕のこの癖のような気がしてならない。

女の子を無性に愛でたくなるという僕の癖・・・
多分僕はそっち系の人間ではないのだと思うけど、どうしてもやめられないんだよね;

この癖のせいでついたあだ名は『プリンス』。
しょうじき恥ずかしすぎるあだ名だ。
 
でも本当にクラスの男子をみても何とも思わないんだよね

『恵里・・・やっぱ僕そっち系かもしれない』
「あーあーあーあー、何も聞こえないよー」
耳をふさいで聞こえないふりをする恵里。
そんなにしなくてもいいのに;

「もう今日から私たち高校3年生だよ!?」
『そうだね、でも何かこの話に関係が?』
「つ・ま・り!後輩しかいないの!」
『???』
「だーかーらぁ!後輩=可愛い男子(かもしれない)」
『はっ∑』
「そう!もしかしたら可愛い男子になら恋をしちゃうかもしれないってこと!」
『ビ、ビバ後輩!!!!!』
「そうよっ!いい後輩捜しにいこう!うん。」

恵里のすばらしい教えを聞いた僕は恵里と一緒に体育館に行くことにした。