―orange―

「よお、愛希」

「あ、やっと来た。亜貴~ずっと待ってたんだから!」

待ちくたびれたころにやってきたのは、親友の高田 亜貴。

やさしくて、カッコよくて、なんっていうか、憧れ?

あたし、一応女だけど、なんかクニャクニャ可愛い子ぶってる女より、断然カッコイイ女になりたいから。

亜貴みたいな。

あ、亜貴は女じゃなくて、男だけどね。

「なんでお前に待たれなきゃなんねーの」

「はあ!?サイッテー。忘れたんだ」

「何が」

「cacaoの新曲買いに行くっていったじゃん!!」

「あ」

「……」

最低こいつ。

決してこういう所は、見習わないようにしなきゃ。