「ねぇ?本物?
涙で…見えないの。
夢じゃない?」



あの日枯れたって思ってた涙が、
またボロボロと零れ始めた。




「ねぇ?…光圀先生?」




―ギュっ



そう…この香り
煙草の苦いにおい…




「ごめん。
ずっと…待たせてごめん。」

「なんで?
なんで…もっと早く…

…バカ!バカー!」


やっと会えた嬉しさと、
よく分からない感情が知らないうちに
先生をポカポかと叩いていた