夢宙〜私の初恋物語〜

次の日、私は変な音で目が覚めた。なんていうか、ガチャボーンっていう音だった。

「おい華夏、朝飯まだか?」

なんと、目の前に義理の弟の拓己《たくみ》がいた。驚いた私は、ベッドから転がり落ちた。

「な、なんで拓己がココにいるのよっ!」

「華夏が起きてこなかったから、俺が起こしにきてやった」

ナンデスカ?その超上から目線。

「なに?なんか文句あるわけ?」

「これでもかっていうぐらいあるわよっ。てか、朝ご飯は明衣《めい》が作るんじゃないの?」

明衣は、13歳だけど、私より料理は得意なはずなんだけどな・・・。

「今日、明衣は泊まりだ。そのため父さんが作っている」

泊まりっていうところが気に食わないけど、そこは置いていておくとして、

「えっ?!ダメよっ!寛《ひろし》さんに作らせたら、家が大爆発しちゃう!」
私は、神業ともいえるスピードで階段をかけおりて、キッチンへと走った。

「寛さん?!ダメよっ!」
「ん?華夏ちゃん、なにがだめなんだ?」

セーフ・・・寛さんは、ちょうどパンをレンジでチンするところだった。

ん?パン?!

「寛さん。パンはオーブントースターで焼くものなんですよ?」

「えっ?!これはオーブントースターじゃないんかいっ?!」

・・・・。

このぐらいの機械音痴だ。
その後私が目玉焼きとパンをオーブントースターで焼いくという、超一般的な朝食を作った。

「華夏、醤油」

「はい」

「華夏、ふりかけ」

「はい」

「華夏、リモコン」

「はい」

・・・・なんか、私、拓己の奴隷もどきになっていませんか?てか、ありがとうぐらい言いませんか?

「ね、なんか言うことないわけ?」

「ないね」

むきー!明日からは拓己のご飯は少なくしよう。

「華夏ちゃん、悪いんだけど、美羽《みう》を起こしてきてもらっていいかな?」

「はい、わかりました」

美羽ちゃんは幼稚園の年中さん。可愛いんだよ。

「美羽ちゃん?入るよ」

カチャ

おー、ぐっすり寝てるわ。いいなぁ。私も幼稚園生に戻りたいな。

「美羽ちゃん、朝だよ?起きて」

「んー、かなちゃん?んぅー、おきたくないよぉ」

「そっかぁ。でも、起きなくちゃ、幼稚園で大好きなユウ君に会えないよ?」

「起きるもんっ!」

「それでよし!!」

私は美羽ちゃんを抱っこして1階に降りた。