「ギャラはそのリップが儲かれば…何とかなるだろ?そんなケチ臭いコト言うな」


祐早斗さんは自分の言い出した化粧品業界への新規参入を耶刃常務に反対さ
れて断念していた。



今度こそはと強硬な態度を崩さない。


「リップがバカ売れしたぐらいで会社の利益にはならん…300円そこらの品物だ…」


「ともかく…俺はグループで出演させたい!」


「だったらお前が事務所と交渉しろ!」


「ハァ??何で社長の俺がしなきゃいけないんだ?交渉は宣伝部の仕事だろ?」


「お前…口先だけか?祐早斗」


耶刃常務はキレると口調が酷く乱れる。