私は会長室を出て…そのまま社長室に戻って…私物を持ち、会社を後にした。



二度と戻らないソーマの社屋に背を向けて歩き出す。



祐早斗さんと二人で住んでいる部屋に帰って…荷物をまとめる。



不思議と涙は出ない。
至って冷静に私は行動していた。



祐早斗さんへの想いが冷めたわけじゃない・・・



今でも愛してる…誰よりもーー・・・



母の元にも戻れず…私は向かった先は・・・



古びた5階建てのアパートの最上階505号室。



私は蹲って此処の主の帰りを待った。