コースも互いにデザートを残すのみ。


「少し失礼します…」


栗原が席を立った。
ヤツの目配せで俺も席を立つ。


向かった先はお手洗い。


「どうして?恋人が夫婦になってる?栗原」



俺は栗原の胸座を掴んだ。



「落ち着いて下さい…私にも私の事情がありまして…コレはあなたに差し上げます」


栗原は指からマリッジリングを抜いて俺に渡した。


「・・・」


「話は付きましたから…後はお二人で何処へでも行って下さい…」