「悪しき闇を切り裂く真紅の鋭き刃!オハライレッド!」
「蒼き陰陽の戦士!オハライブルー!」
「米を愛する白き巫女、オハライホワイト」
「プリティーセクシーダイナマイトエンジェル!オハライグリーン!」
「怪しく香るダンディズム!オハライブラック!」
――心霊戦隊ハラウンジャー!
決めポーズをする五人を余所に、気絶した幼女を砂場に置いた影は、再び飛び立とうとしていたが、結界が邪魔して何度も見えない壁に打ち当っていた。
今のうちに、広姿が幼女を安全なところへと避難させた。
「……空中戦になりそうだな」
権之助はそう呟き、弓を構えた。
そして、霊力を込めて矢を放つ。
しかし、影はその矢を軽く避けた。
「……チッ」
「すばしっこいなぁ……」
クリフォードはそう言って苦笑した。
「俺が動きを止める!その瞬間に!」
「待て!弾や矢より遅いお前がどうやって……」
迅は権之助の制止も聞かず、影に突っ込んで行った。
この機会に、権之助に自分のことを認めて貰いたい。
迅の行動には、そんな健気な思いも込められていた。
早々に権之助との関係を何とかしないと、後でぐだぐだになるだろうという想像が彼を駆り立てたのだ。
「でやぁ!」
迅が影を刺又で抑え込もうとするが、影は素早くそれを潜り抜ける。
もう一度、迅が影に迫ったその時、影が身体から無数の針を放った。
「迅!」
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