「悪しき闇を切り裂く真紅の鋭き刃!オハライレッド!」

「蒼き陰陽の戦士!オハライブルー!」

「米を愛するすろっ……白き巫女、オハライホワイト」

「プリティーセクシーダイナマイトエンジェル!オハライグリーン!」

「怪しく香るダンディズム!オハライブラック!」

――心霊戦隊ハラウンジャー!

決まった……。
デブが噛んだが気にしない。
学校の窓から拍手が響く。
ちょっと良い気分だ。

「アンタ!いつまでもキメてないで行くわよ!」

「え、俺!?」

「あたしたちは特攻組よ。ダーリンと権(ごん)ちゃんは援護組、敏江ちゃんは防御組」

「へぇ……」

ダーリンは中年のことか。
敏江ちゃんっつーのはデブのことだな。
……とすると、権ちゃんが水沢?

「来るわよ!」

「うわっ!」

俺たち目がけて、悪霊は再び触手を無数に飛ばして来る。
それを華麗に避けるオカ……いや、確か川村さん。
それに習って俺も華麗に避けようとするが、上手く行かず……。

「ぐぇっ!」

惨めにも転んだ。
触手は俺のすぐ側まで迫っていた。
刺される!
そう思った矢先、俺を眩い光が包んだ。

「えっ……」

「大丈夫?」

デブ……いや、敏江さん……。
相変わらず目が死んでいるが、今はちょっと頼もしく見える。
そんな敏江さんの後ろから、水沢と中年が触手を次々と射落として行く。





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