「あわわわっ…は、颯っ!!ま、待 ってぇ〜!!」 街に入っておよそ5分…… あたしは完っ全に、 人にのまれていた…。 てか、人が多すぎて、 前に進めないの!! 周りが賑やかで颯にあたしの声は 聞こえていないのか、 颯は一人でどんどんどんどん 先に行っちゃって…。 あたしと颯との距離は、 広がっていくばかりで…。 「あ、颯っ!?」 ―――そして、たった今。 あたしは完っ…全に、 颯を見失った―…。