好きと言えなくて…。〜近くて遠い2人の距離〜



「颯のこと…そんなに好き?」

「……………え…?」

な、なななな!?//////


なん……で、知って…!?////




「………あいつ、女癖最悪だよ?
性格も、決して“良い”とは言え
ない。そして何より……あいつは
大人っぽいとはいう、まだ17の…
“ガキ”だろ?」

心底バカにしてるみたいで、
鼻で笑ってそう言った龍さん。


「……………」

―――わかってる。


そんなこと…
言われなくたって、わかってる。

けど……


「―――理屈じゃないんですよ」

「………え?」

あたしの言葉に龍さんは、
面食らったみたいで、一瞬…
すごいキョトン顔になった。


「どこが、とか、なんで、とか、
そーゆーのじゃ、ないんですよ。
“颯”だから、あたしは好きにな
ったんです」

「……………」

「…確かに颯は、女癖最悪だし、
性格も最悪。“敬う”って言葉を
知らない子だけど…」

―――あたしは…


そんな颯が……



「それでも、好きなんです」

―――理屈なんてない。



“颯が、好き”


ただ…それだけなんだ。