ソーダのペットボトルをあけて空を仰いだ。

「お父さん、私は元気だよ」

だって泣いてないでしょ?

「見たでしょ?友達できたよ」

宏太くんの顔を思い出して笑った。

あんな温かい気持ちになったのは久々だった。

「お父さん…お母さんはいつも泣いてるよ」

父が亡くなって1年がたっても母はまだその悲しいから立ち直れていない。

強がってはいるが毎晩泣いてるのを私は知っている。

兄はすでに独立しているが私の学費を稼いでくれている母にはかなりの負担になっているだろう。

かなりにも公立だが大学に行く余裕だってない。

「お父さん…会いたいよ」

立てた膝に顔を押し付ける。

そうしていなくては涙がでてしまうような気がして仕方ないのだ。

「碧…」

聞き慣れている声に顔を上げれば心配気な兄と目があう。

「お兄ちゃん…」