ラブ&トラップ

もうそろそろこの体勢も打撲に響いて辛いんだけど、握られた手はまだそのまま。


顔にかかる髪をそっと耳にかけられて目が合うと、思っていた以上に近すぎる距離に、いつしかのキスを思い出す。


「とりあえず大人しくうちでメシ食ってけよ。襲ったりはしねーから。」


「なんかもう襲われそうな距離なんですけど...。」


ちょっと近付けばキスされそうだもん。


「あ?襲わねーって。攻めはするけどな。」


攻められるのも、襲われるのも、紙一重だと思うんですけど。


「とりあえず家入るぞ。足の湿布も温まってるだろうし、その腕にも貼るべきだろ。」


「えっ!?」


やっと握られてた手を離されたけど、それ以上にいつのまにか気づかれてたうでの打撲に驚かされる。


「我慢して隠し通すつもりだったんだろーが、そうはさせねー。」


運転席から外に出てノートパソコンの入った鞄を後部座席から取ると、いつまでも動かない私が睨まれる。


「ひとりで歩けないならおぶってやろーか。」


「け、結構です。」


「じゃぁ行くぞ。ちいな。」

ふ、不意打ちすぎる。