お湯を沸かしてコーヒーを淹れると、少しずつ目が覚めてくる。


「昨日の話の続き、するの?」


「うん。私かずくんのことなんにもわからないんだもん。」


まださほど生活感のないこの家で、カーペットの上に2人で向かい合って座る。


「じゃぁなんでも聞いて。」


なんでも答えてみせるからって言わんばかりのかずくんの言葉に、私は一呼吸おいて質問する。


「どうしてここに帰ってこないの?」