ラブ&トラップ

「もったいねーよ。自分の考えもちゃんと持ってて、周りだっておまえについて行くだけの魅力はあんのに、おまえ自信に周りが見えてなくて。」


このタイミングで説教?


「今はどうせ彼氏中心で世界が回ってて、そのためのバイト。そのための生活なんだろ。で、周りから遊びに行こうって誘われてもバイトとか彼氏を理由に断る。」


「ちがいます。」


でも思い当たる出来事はいくつかあるかもしれない。


「いざ彼氏との問題が発生したら相談する相手もいない。結果自分ひとりで抱え込む事になって、いずれなにもかもうまくいかなくなる。」


「そんなことないですっ!」


確かに今の私の状況は…


「おまえがありのままの姿を見せられる場所はどこだよ。素直に言いたいこと言って、泣きたいときに泣ける場所はどこにあんだよ。」


そんなの……


「そんなの私が一番知りたいですよ!」


ずっと淡々と話していた店長とは違って、自分でも思ってた以上の声の大きさに一気に居心地が悪くなる。


「そっか。ならいい。」


私が大きい声を出しちゃったからか、店長の話はその後続かなかった。


またしばらく沈黙の中で箸やグラスを口に運ぶ音だけが聞こえた気がする。