「まさか紘哉さん……」 「うるさい。高所恐怖症なんだよ!」 また珍しく紘哉が叫んだ。 何一つ欠点が無さそうに見える彼。 まさかこんなベタな欠点があったとは…… 羽兎はニヤリと笑う。 「いいよ。じゃあ、私が見てくる」 そう言って羽兎は、意気揚々にキャタツへと歩いていった。 本当は登りたくて仕方なかったらしい。