「ハシゴ!」 「いいや、キャタツだ」 不毛な争い。 最早本来の目的を忘れつつある二人。 すると羽兎は大木を指して叫んだ。 「だったら紘哉さんがロープのアトを見てきてよ! ハシゴじゃないと私は嫌だ!」 「お前はガキか!」 「ガキじゃないし!だから早く見に行ってよ!」 羽兎は紘哉の後ろに回り、彼の背中を押す。 長いキャタツと大木を見上げた瞬間、紘哉の顔がひきつった。