羽兎は良くできましたと言わんばかりの顔で頷いた。 それを見た紘哉は、うっとうしそうに顔を背ける。 「じゃあ、中庭の真ん中には?」 「やたらとデカイ木が一本」 「良くできました!」 「……そのノリどうにかならねぇの?」 羽兎はニシシと笑い、指をピンと立てて紘哉に尋ねた。 「紘哉さん、振り子って知ってる?」 「振り子ってあれだろ? 大きなのっぽの古時計で揺れてるやつだろ?」