「そういう事じゃない。 ベランダが無いってことはそれだけ着地するリスクが高まるってことだ」 「どういう事?」 「早い話、あの窓のフチに確実に着地しなきゃいけないということだ。 ちょっとでも狂ったら壁に激突したりする」 「まぁ、普通に考えてそうだよね。 ベランダだったら狙いが外れても手すりに掴まって横移動できそうだしね」 羽兎は納得したように頷いた。 しかし、紘哉の顔は晴れない。