「いいだろう。お前の望み、打ち崩してやる」 「お、おぅ……」 恵一の顔に若干の不安が見え始めてきた。 「被害者の名前は加々美 武子(かがみ たけこ)。55歳。 腹部を刃物で刺され、失血死。 死亡推定時刻は7時45分から8時45分前後 また、後頭部を強く打ち付けたようなアトがある。 ……どうだ?」 「……」 開いた口が閉まらない恵一。 羽兎は感心したように紘哉を見た。