彼女は頼みが通るだろう、と自信満々の顔をしている。 しかし自信満々の羽兎とは対照的に、恵一は困ったように頭を掻いた。 「羽兎さん……悪いですが、それは無理です」 「なんでー!」 「上に怒られちゃうんで」 「うー……」 羽兎は肩を落とした。 期待してただけあって、落ち込み方が酷い。 恵一はかなり申し訳なさそうな顔をした。 そして何かを思い出した様に手を叩くと、ある提案を持ち出してきた。