「お前、もしかして三雲紘哉じゃないか?」 「……あ?」 紘哉は不審に思いながら男の顔をちゃんと見た。 くたびれたスーツに薄いコート。 少しツンツンした頭。 特徴的なたれ目。 紘哉より少し広い肩幅。 この男、見覚えがある。 「……花形恵一か?」 「あぁ!」 花形恵一と呼ばれた男はニカッと笑った。