「紘哉さんもいつか分かるよ。
本当に守りたいものができたとき、そして守りたいものがピンチに陥ったとき、人間が一番必死になるってね」

「……」

彼は何も答えず、ただ黙って聞いていた。

すると何かを思い出したかのように、羽兎に指を突きつける。

「そう言えば、何であの時振り子方式を思い付いたんだ?普通だったら気付かねぇぞ?」

「あー、あれね」