その後ろを隼美がてくてくとついていく。 彼女は途中で振り向くと、小さく手を振って優の隣へ走っていった。 「もしかしたら早裕さんは、紘哉さんを守ってくれたのかもしれないね」 背中を見送りながら、羽兎がそっと呟いた。 紘哉は早裕にキスされたところをさすりながら答える。 「もし本当に彼女がそう思っているなら、それは単なるエゴにすぎない」 「紘哉さん……」 彼女はとがめるように名前を呼ぶ。 やがて、大きくため息をついた。