「待て、ケイ」 静かに呼び止めると、恵一は不機嫌そうに振り向いた。 「何だよ」 「今回の事件、全てお前の手柄と言うことにしといてくれ」 「え!?」 途端に恵一の目が丸くなる。 それと同時に、嬉しいのか顔がほころんできている。 「マジで良いのか?」 「当たり前だ。その代わり――」 紘哉は五本指を恵一の顔の前に突きつけた。