二人のやり取りを見ていた早裕はクスクス笑った。
いつもとは違う、どこか晴れやかな笑みだった。

「やっぱり紘哉くんは、素敵な人だよ。紘哉くんだけじゃなくて、周りにもたくさん好きな人がいる」

早裕は羽兎と恵一を見てニッコリ微笑む。

「短い間だったけど、友達のように過ごせて嬉しかった。ありがとう」

そう言って彼女は少し背伸びをし、紘哉の頬にキスをした。
彼は少し驚いた顔をする。

「……元気でね」