物が溢れた埃っぽい部屋。 自分だったら絶対に他人に見せないだろう。 そんな部屋だった。 「……?」 紘哉はブレーカーに何か違和感を覚え、そっと近付く。 よく見たら主電源のスイッチに、小さなヒヨコのシールが貼ってあった。 もっとよく見ようとしたその時。 「紘哉くん、どうしたの?」 早裕が不思議そうな目で見てきた。 「何でもない。今行く」 あのシールが気がかりだ。 そう思いつつ、彼は地下室を後にした。